第78回日本医学放射線学会総会は、2019年4月11日(木)~14日(日)の4日間、パシフィコ横浜にて、第75回日本放射線技術学会総会学術大会、第117回日本医学物理学会学術大会および国際医用画像総合展(ITEM 2019)との合同で、JRC 2019として開催いたします。
私は放射線医学教室に入局して38年になりますが、その間、CTやMRI、PETなどの画像診断、IVR並びに放射線治療の発展をまのあたりに見て参りました。医療機器の発展とともに画像診断やIVR、放射線治療の技術も飛躍的に向上し、医学全体への貢献も目覚ましかったのではないかと思います。この間の放射線医学隆盛の理由の一つは常々、我々が時代の先頭に立って、革新的であり続けたからではないかと思います。そしてこの放射線医学においては今後も発展が期待されており、時代の最先端を走り続けるには常に我々は革新的であらねばならないと考えております。
一方、技術の進歩は時として我々の最終的な目標は“患者さんの幸福につながること”であることを忘れさせてしまいがちです。“本当に患者さんの役に立つことは何か”と言うことを常に考える、日々の読影を中心とした診療においても“画像の向こうには患者さんがいる”ことを忘れずに取り組むことが何よりも大事であると思います。このような姿勢がなければ今後の放射線医学の発展はあり得ません。このような私からの若い世代の放射線科医へのメッセージとして今回のJRCの主題を“革新的な放射線医学をー患者に寄り添ってー”(Innovative Radiology close to the Patients)と致しました。JRC2019では、このような主題(テーマ)に沿ったプログラムを企画し、多くの参加者をお迎えしたいと思います。
日本医学放射線学会総会は、放射線医学全領域を網羅する学術集会であり、多数のシンポジウムや教育講演も開催されます。しかし、その中で放射線学会の今後の発展を考えた場合、最も重要な学会の役目は最新の研究成果の発表であると考えております。今回の学会では学会員の皆様が存分に研究発表できることと同時に自己研修にもつながる様な学会にしたいと考えております。
多くの方々のご参加を心からお待ちしております。
第78回日本医学放射線学会総会
会長 山下 康行 熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学分野 教授