第31回日本老年泌尿器科学会
The 31st Annual Meeting of Japanese Society of Geriatric Urology ごあいさつ
  第31回日本老年泌尿器科学会
会長 横山 修
福井大学医学部 器官制御医学講座
泌尿器科学 教授

 

 この度、第31回日本老年泌尿器科学会を福井で開催させて頂くことになり、大変光栄に存じます。
2017年1月5日、日本老年学会は高齢者の定義を「65歳以上」から「75歳以上」に引き上げ、これより若い人たちは就労やボランティアなどの社会活動を促すべき、という提言をしました。65歳以上でも心身ともに健康で活発な社会活動が可能な人が大多数であり、また内閣府の調査でも70歳以上あるいは75歳以上を高齢者と考える意見が多い結果からこのような提案がなされたわけです。しかし2013年の「健康寿命」に関する調査では男性の健康寿命は71.19歳、女性は74.21歳と報告され、日本老年学会が提言した75歳を下回っていることがわかります。したがって75歳よりも前に不健康になってしまう人も多く存在する現実があります。人は長期の療養が必要になった時、できるだけ自宅で過ごしたいと感じている人が約半数存在しますが、オムツなどの装着を余儀なくされ排尿自立ができなくなった時に施設入所を考えると報告されています。したがって75歳以上の高齢者の体や心の健康を維持させるためには泌尿器科の貢献が是非とも必要であると考えます。また、平成28年度診療報酬改定において「排尿自立指導料」が認定され、本学会開催までに丸2年が経過いたします。この機会に2年間のアウトカムを評価できる大会にできればと考えています。また福井県はわが国有数の長寿国であり、「健康・長寿」が福井ブランドの1つとして掲げられています。そこで第31回の本学会のテーマは「明るく活力のある健康長寿社会を目指した泌尿器ケアの実践」とし、高齢者の排尿そして高齢者の癌に注目して「健康寿命」に貢献できる大会を目指したいと考えています。皆様のご参加を切に期待いたしております。