櫻井 薫
(東京歯科大学 老年歯科補綴学講座 教授)

 2017年6月14日(水)から16日(金)に名古屋国際会議場において、「治し支える歯科医療」というメインタイトルで、第28回日本老年歯科医学会学術大会を開催いたします。特別講演は、USC Leonard Davis School of Gerontology学長であられるPinchas Cohen先生に”Personalized Aging: using genomics and technology to optimize healthy aging – implications for oral health”と題した講演をしていただきます。シンポジウムは7題あり、一つ目は「化粧・整容療法-認知症・老化による機能的・外見的変化への対応-」として新たな老年歯科医療の領域を提示します。二つ目は「歯科と栄養が出会う時」と題して、これからの歯科医師と管理栄養士との関係について触れます。三つ目は「老年歯科医学の卒前・卒後の一貫教育」と題して、国と医育機関の立場からの議論が行われます。その他にも学術委員会シンポジウム「『口腔機能低下症』について理解を深めよう」、学術用語委員会シンポジウム「学術用語を考える『口腔ケア』って何ですか?」、支部組織・地域保健医療福祉検討委員会シンポジウム「地域歯科医療から学会の役割を再考する」、歯科衛生士シンポジウム「地域包括ケアシステムと歯科衛生士の関わりを考える」が開催されます。また口腔内乾燥症に関する教育講演、さらに若い会員等ために3つの入門セミナー(①高齢者におけるフレイルとサルコペニアを理解する、②歯科医師が知っておきたい栄養評価とその対応、③高齢者の診療に必要な全身状態評価とその対応)を用意しました。

 一方で今回は7学会の合同学会(第30回日本老年学会総会)らしく、17の合同シンポジウム(1.オーラルヘルスとゼネラルヘルス~予防からリハビリテーションまで~、2.一億総活躍社会における後期高齢者の介護予防は『複合プログラム』で!、3.認知症の人と家族を支える医療とケア、4.フレイル研究の現状及び展望、5.健康日本21(第2次)の視点からみた介護予防の推進、6.高齢者におけるサルコペニア -基礎から介護予防まで-、7.栄養から見た老年医学と老化研究、8.多職種一丸で創る地域包括ケア、9.生活を支える医療と介護を目指す多職種連携、10.治し支える医療におけるエンドオブライフケア、11.高齢者医療の変革をめざした転倒予防、12. 医療・看護・介護連携はどうあるべきか?、13. 大独居時代の地域支援に向けて、14.認知症 -基礎から臨床へ向けた新展開-、15. 当事者主体の地域包括ケアを目指して、16. 百寿者に学ぶ健やかなエイジング、17. BPSDに対する薬物療法が開催されます。そのうち本学会からは、1番目から12番目までのシンポジウムに演者を出します。

 日本老年歯科医学会だけでも必ずや参加して良かった思える内容を豊富に用意しております。さらに、2年に一度の合同学会、すなわち日本老年学会では、1つの学会の参加費で他の6つの学会にも参加できるというメリットがあります。多くの方に参加していただければ幸いです。

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