第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
会頭 岡部 幸司(福岡歯科大学 細胞分子生物学講座 細胞生理学分野 教授)
歯科基礎医学会(Japanese Association for Oral Biology)は口腔基礎医学の進歩・発展に寄与することを目的に、国内でも最も歴史と実績のある基礎研究と歯科臨床を結ぶ分野横断型の口腔基礎医学を支える学会として活動を行っております。このたび、第56回歯科基礎医学会学術大会を平成26年9月25日(木)から9月27日(土)まで福岡国際会議場にて開催することとなりました。伝統ある本学会学術大会を福岡歯科大学が担当し、会頭を務めさせていただくことを大変光栄に存じております。前回、福岡歯科大学での開催は1983年第25回大会でありますので、31年ぶりの担当になります。
さて、近年全身疾患や脳機能との関係が指摘されるなど、全身と口腔の関係がますます重要視されていることは周知のとおりです。これらの社会環境や医療現状の変遷を踏まえますと、本学術大会では、口腔基礎医学研究が全身医学・生命科学研究に大きなインパクトを与えうるという認識を共有しながら、ボーダレスな口腔基礎研究活動の底上げに寄与し、若手研究者に今後の口腔基礎医学の針路を示すことができるような活動が必要であると思われます。そこで、本学術大会は「口腔から全身への架け橋、口腔基礎医学の展開」というメインテーマで実施したいと考えております。そのために、海外の著名な免疫学研究者を招聘しての特別講演、口腔から全身への架け橋となるシンポジウムとして、超高齢社会や免疫研究の最前線に関わる2つの学術シンポジウム、特別シンポジウム、基礎と臨床を繋ぐ2つのメインシンポジウムなどを企画しています。また、分野横断的研究者や若手研究者が集うシンポジウムとして15テーマのサテライトシンポジウム、一般口演とポスター発表や部門別談話会を通して、多くの会員に発表・討論と情報交換を行なう場を提供したいと考えております。さらに、本大会では韓国の歯科基礎医学会との合同開催企画に向けたセレモニーや本学会の法人化設立総会等が予定されており、国際化の促進や学会組織の改革など歯科基礎医学会が大きく変わる歴史に残る大会となると思われます。開催校としましては、学会員のみならず、臨床分野の大学関係者や実際の地域医療や医療行政に携わる方々にも有意義な学会になるよう努力したいと思います。
本学術大会ポスターの中で帆走するヨットのデザインは、古くから大陸との接点であり、アジアの玄関口として発展する博多港・福岡に向けて、新しい息吹を呼び込む外洋からの風をイメージしており、加えて日本からアジア、そして世界へと本学会の力強い発展を祈念しております。また、学会に加えて風光明媚な福岡の町の歴史や食文化をお楽しみ頂ければ幸に存じます。
福岡での本大会が皆様にとって実り多い交流の場となることを祈念するとともに、大会開催にご支援くださいました多数の団体、企業、大学関係者の皆様に心より御礼申しあげます。