会長挨拶
岩﨑 昭憲 第34回日本呼吸器外科学会総会 会長
岩﨑 昭憲(福岡大学医学部 呼吸器・乳腺内分泌・小児外科 教授)

この度、第34回日本呼吸器外科学会総会を、2017 年5月18日(木)、19日(金)の両日、福岡国際会議場において開催させていただくことになりました。
福岡市での開催は第3回大会以来、実に31年ぶりとなります。伝統ある本学会総会を主催させていただくことは、大変光栄なことと存じ、心より感謝申し上げます。

学会テーマは「呼吸器外科医の道—継承する技と心—」と、いたしました。
今日の呼吸器外科領域の発展があるのは、多くの先達の努力や工夫が継承され、そこから生まれた新技術とともに進歩してきた結果ではないかと思います。
今後も常に新技術に基づいた手術手技や診断・治療法などを磨き、技量だけではなく患者さんへの温かい心を伴った医療を心がけていくことが大切だと思います。

お蔭様で過去最多の1450題余りの演題応募をいただき、アジア地区からも40題を超える応募をいただきました。日本呼吸器外科総会は、会期中に2000人を超える呼吸器外科医が一堂に会し、短期間に多くのことを学び、多くの仲間を作る良い機会です。そこで採択率は例年より高めの88.9%とし、演題の採用には、なるべく多くの会員が参加できるよう配慮いたしました。

招請講演には、ウィーン大学のWalter Klepetko教授に拡大手術、肺移植や気道系の手術に関して幅広く講演をいただきます。また、コペンハーゲン大学のJesper Holst Pedersen教授による肺癌CTスクリーニングに関する講演や、Networkを用いた国際ライブセッションを予定しています。ESTSJACSのJoint Sessionでは、ESTSからAkif Turna教授の参加が予定されています。特別講演には、岩中督NCD理事長による各外科領域のNCD活用状況や、呼吸器外科での活用法について企画しております。

教育講演では2017年より改定された第8版の肺癌新TNM分類について、また中皮腫の最新病理知見について学ぶ機会を設けました。

さらに世界的な業績を残した日本の呼吸器外科医の姿を知っていただくために、メモリアル講演も企画しております。各種講習会は、総会プログラム枠の前後に実施し、総会中には全員が議論に集中できる環境にいたしました。アジア各国からの演者と交流を深めるために、多くのトラベルグラントを準備し国際交流の場を設けています。

福岡市は、各地からの交通アクセスも極めて良く、毎日、多くの直行便や新幹線などが乗り入れています。福岡の豊かな食文化や魅力を、学会とともに楽しんでいただければと願っております。風薫る新緑の季節の福岡に、多くの皆様の参加をお待ちしております。