会長挨拶 第20回 日本小児外科漢方研究会

第20回 日本小児外科漢方研究会 会長 田口智章
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野

第20回 日本小児外科漢方研究会 会長 田口智章 このたび第20回日本小児外科漢方研究会を担当させていただきます九州大学小児外科の田口です。第20回という節目の回に34演題という多数のご応募をいただきました。当初は午後のみの開催予定でしたが、演題数増加のため、PSJM2015各会長の先生方および第31回日本小児外科学会秋季シンポジウム会長のご厚意により、10月30日(金)午前中からの開催となりました。ご関係の先生方には紙面をお借りして深謝申し上げます。
 今回の教育講演では、日本東洋医学会指導医・専門医制度委員会九州地区委員長でいらっしゃる貝沼茂三郎先生に「処方選択に役立つ漢方医学的所見のとり方」をテーマにお話しいただきます。現在、貝沼先生は九州大学病院総合診療科で漢方外来を担当され、多くの専攻医や学生に対する教育も熱心に行っていらっしゃいます。私たち小児外科医が漢方薬を使用して効果がなかった場合の次の一手を選択する際の判断材料として、日常診療にお役立ていただけるのではないかと思います。
 前回第19回では、川原央好会長が、漢方に熱心に取り組んでいらっしゃる中軸の先生方の座長と漢方エキスパートのコメンテーターという組み合わせによる会の進行形態をとられました。第20回ではさらに、小児外科エキスパートの先生方にも座長に加わっていただくことにしました。エキスパートの先生方による様々な視点からの意見による議論の白熱化、将来の小児外科漢方を背負う若い先生方への伝承により、今回の研究会が小児外科漢方の発展に寄与できることを祈っております。
 また今回より、コメディカルの方の演題も募集いたしました。小児外科医の漢方への関心は非常に高まっておりますが、臨床現場において、漢方治療を広く深く導入するためには、コメディカルへの周知を行い、チームで取り組むことが重要であると考えます。特に看護師においては漢方医学の教育カリキュラムがありません。看護師が漢方の知識を持つことで、患者への内服指導、副作用の早期発見だけではなく、担当患者の漢方治療の必要性に関する医師との相談、日常の看護における漢方医学的知識の活用という積極的な取り組みが期待できます。今回の研究会をきっかけとして、小児医療にかかわるコメディカルの方々に小児外科漢方に関心を持っていただき、小児外科漢方のさらなる発展に繋がることを願っております。
 火の国熊本の地で、阿蘇に負けないほどの熱い漢方論議が交わせることを楽しみにしております。 
 なお今回の準備にあたり、教室の宮田潤子助教の獅子奮迅の活躍に感謝します。九大病院では小児医療センターに小児漢方外来を併設し漢方医療の充実を計っています。ここでも宮田潤子君が活躍しています。外科医師にとって漢方は患者さん特に親御さんとの間をとりもつbuffer効果も期待できますので助かっています。

 

画:たちばなさきこ

第31回日本小児外科学会秋季シンポジウム/PSJM2015
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